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ピルの副作用が出やすい人・出にくい人

【20代・浅野さんからの質問】

ピルの副作用が出やすい人・出にくい人の傾向があれば知りたいです。



【ドクターの見解】

ピルの副作用にはさまざまな種類がありますので、個別に説明していきます。


1 吐き気や嘔吐など、初期の消化器症状

ピルに含まれる黄体ホルモンは、腸などの消化管の働きを低下させます。その状態で胃に食べ物が入ると吐き気につながりますが、もともと便秘がちな方は腸が動かない状態に慣れているため、吐き気が起こりにくいと予想されます。


2 食欲の増進

ピルを内服すると体温が少し上がるため、食欲の増進など月経前に似た症状が出る場合があります。体温が上がったぶんエネルギー摂取を増やさないといけないので、もともとエネルギー不足気味な方は、食欲が増進する可能性が高いと思われます。


3 お肌の状態の悪化

ピルを内服すれば女性ホルモンが安定するため、肌荒れが起こりにくくなります。しかし、飲み始め数週間は一時的に肌荒れが起こる場合があります。もともと男性ホルモンが優位な方に多く見られる現象ですが、飲み続けていくうちに落ち着くケースがほとんどです。


4 不正出血

やはり「低用量ピル」ですので、内服される方の身長や体重、筋肉量によっては、成分量が不足する可能性があります。この場合、不正出血が起こりやすいです。超低用量ピルは低用量ピルよりも成分量が少ないため、より不正出血の可能性が高くなります。


5 血栓症

生まれつき血栓を起こしやすい体質である「プロテインS欠損症」は、他国と比べて日本人に多くみられる素因です。これに当てはまる方は、事故や手術などで大量出血した後に生じる「血小板増多」が起こっているときに、血栓を生じやすい傾向があります。

喫煙者、肥満の方、膠原病の方も、血栓症には注意が必要です。手術後や避難先の車中など、同じ体勢で安静を強いられる場合にもお気を付けください。

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